アルプスの山々に囲まれた風光明媚な観光都市・松本に佇む松本城。国宝五城の一つとして地域観光の拠点となっています。
黒い外観が独特の松本城は江戸時代初期以前に建造された天守がほぼ完全な形で現存。歴史的にも文化的にも大変価値の高い名城です。
観光に人気で一度は行っておきたい松本城の魅力を探っていきます。
松本城の歴史
松本城の歴史は1504年まで遡ることができます。
同じく松本に築城された林城の支城として築城された深志城が松本城の始まり。戦国大名武田氏の侵攻や滅亡を経て1582年に松本城へ改名しています。
天守の建造年については1591年~1615年まで諸説がありますが、1597年建造という説が有力ですよ。
また軟弱な地盤に建つ松本城は、明治時代に天守が傾き危機的な状況を経験した城としても有名。火災や地震などの災害でも全壊することなく現在に至っています。
松本城の構造は独特!
国宝にも指定され、江戸以前に建造された現存12天守にも数えられる松本城。築城当初は連結式望楼型の天守でしたが、1633年の改修で複合連結式層塔型5重6階となり現在に至っています。
天守と小天守を渡櫓で連結。月見櫓の赤い欄干が特徴的な雰囲気を持っていますよ。
望楼型の内部構造を持っているものの外見は層塔型の形をしているため、屋根の隅が様々な方向を向いているのが特徴的。
強引に寄棟を形成したため「秘密の階」と呼ばれる特殊な空間も存在していますよ。
現在に通じる松本城の建築技法
現存天守のうち5重の天守を持つのは姫路城と松本城のみ。天守に月見櫓が接続しているのは松本城のみです。
【通柱で高層化】
1~2階を通柱で組立て、その上に3~4階、5~6階を通柱で組み立てたものを積み上げています。通柱の構造は天守3階で見ることができますよ。
【土台を支える柱16本】
直径30~40cm、長さ5mの柱を16本立て貫で繋ぎ、その上に天守の土台を設置。まさに現代のパイル工法です。
【低層階は柱が林立】
松本城天守の1~3階は数多くの柱が立てられています。高層化した天守を支えるべくしっかりした骨組みで、実際に内部構造を見ることも可能です。
松本城の魅力:見ておきたいポイントを解説
アルプスと天守のコントラストを楽しもう
春から夏にかけての松本城は、残雪と天守の素晴らしい光景を眺めることができます。
アルプスの山々を背景に天守を内堀の外側から見る景色はまさに絶景!
松本城観光の醍醐味の一つで、絶好のシャッタースポットにもなっています。
朝の松本城はまた格別
松本城の朝は観光にもおすすめの時間帯!松本城公園は24時間無料で開放されているので神々しい朝日に浮かび上がる天守を見ることができます。
また朝の時間帯は内堀の水面が穏やか。映り込む逆さ天守も松本城の魅力で、時間に余裕がある方はぜひ見て下さいね。
豊富なイベントを楽しもう
1年を通じて様々なイベントで訪れる人を魅了する松本城。春の桜から夏の薪能、秋の月見など季節を感じるイベントが盛りだくさんです。またそれに合わせて夜の鑑賞も楽しめるため、観光にもおすすめ!ホームページでチェックして出かけてみるのもいいですよ。
松本城へのアクセスや城下町について

松本は城を中心に計画的に造られた城下町で、城を観光する際には城下町の散策もおすすめです。
中町通りや縄手通りなど昔の面影を色濃く残す商店街が存在し、お土産探しや地元グルメを味わうにも最適。
日本屈指の名城でもある松本城。JR松本駅や高速道路からもアクセスが良いことで知られています。
また城周辺には市営、民間と多くの駐車場も点在しているので車で立ち寄るにも便利。30分100~150円の料金で駐車が可能です。
【松本城天守の基本情報】
・住所:長野県松本市丸の内4番1号
・営業時間:8:30~17:00(時期により異なる)
・定休日:12月29日~12月31日
・料金:大人610円、小中学生300円
・アクセス:長野自動車道「松本IC」より15分
・駐車場:あり(有料)
・URL:http://www.matsumoto-castle.jp/
まとめ
歴史や城ファンならずとも一度は見学しておきたい松本城。首都圏や中京圏からも日帰りで行けるドライブスポットです。
風情ある天守は歴史ロマンを掻き立てる屈指の観光スポットで、ファミリーやカップルにもおすすめ。
豊富なイベントに合わせて出かけてみるのもいいですね。休日のお出かけに松本城はいかがですか?